両親の離婚を経験している子どもたちへ。 お父さんとお母さんが離婚をしたのは何故なのか知りたいなら、あなたの自分のその目で確かめてごらんなさい。 お父さんからの話しを聞いても、お母さんからの話しを聞いても、どちらも間違いではなく、正しくもないのです。 何故ならば、お父さんとお母さんは、一人一人違う人間ですから、同じものを見ているのに考え方も、感じ方も、捉え方も違うからです。 そして、あなたも同じです。あなたも1人の人間です。 お父さんでもなく、お母さんでもありません。あなたは、あなたです。 だから、あなたが、あなた自身で感じたことが、お父さんとお母さんの離婚の理由です。 もしも、お父さん、お母さんを嫌だなと想ったならば。自分自身に問うてごらんなさい。 自分は、それほど素晴らしい完璧な人間ですか?と。 お父さんもお母さんも同じです。完璧な人間など、おりません。 ただ、確かなことだけはあります。 それは、お父さんもお母さんも、あなたを愛しているということです。 生まれてきてくれて本当にありがとう。最高の喜びを与えてくれたあなたに、お父さんもお母さんも心から感謝しています。 愛するあなたを抱きしめます。 たとえ、いま、あなたの傍にいられないとしても、あなたを心の中で抱きしめています。 忘れないでください。 お父さんもお母さんも、あなたのお父さんとお母さんであるということを。 あなたの命に連なるのだということを。

2012年08月04日

■西日本新聞【ほほ笑み返して…子どもから見た離婚】<4完>心埋める居場所を

 ■新訳男女 シリーズ第16部■
 
 「自分がもっといい子だったら、親は離婚しなかったんじゃないかと…」

 「大人同士の問題。あなたはまったく悪くないよ」

 「こんな後ろ向きな気持ち、誰にも言えなかった」


ミクシィで心の居場所となっているコミュニティー「親の離婚を経験した子ども」
 インターネットの会員制交流サイト「ミクシィ」でのやりとりだ。「親の離婚を経験した子ども」というコミュニティーで2006年に開設された。20―30代を中心に中高生も含めて約3700人が登録している。

 主宰するのは横浜市の中田和夫さん(41)。自身も親の離婚を経験している。母は亡くなったと聞かされて育ち、高校生のときに生きていることを知ってからも「だまされた」という思いを吐き出せなかった。

 ひとり親家庭への偏見、両親そろってこそ「普通の家庭」という世間の価値観、同じ立場の友人が近くにいない…。中田さんは「友達や家族など誰にも言えない弱音を吐ける一つの居場所なんです」と話す。

 「ひとり親でかわいそうと思われるのが嫌だ」

 「過去から抜け出したいのに、抜け出せなくて苦しい。死にたい」

 「つらい過去に区切りを付けたい。どうしたら…」

 中田さんの場合、社会人になってから心の憤りが噴出した。うつ状態になり、会社を辞めた。転機は20代後半。不登校や引きこもりの悩みを抱える仲間の集いに参加し「みんな同じなんだな」と感じられるようになってからだった。

 「愚痴を書き込んでもネガティブになってもいい。そうすることで、その後にちょっとでも自分の人生を主体的に生きていけるようになってもらえたら」。中田さんも両親へのわだかまりに区切りをつけ、今は婚約者に支えられながら再就職を目指している。

 「ここに書けてすっきりしました。ありがとう」

 「この場所を見つけて本当によかった」

 そんな居場所がもっと増えていけばいい−中田さんはそう願う。

 =おわり

    ×      ×

 ■子どもへの配慮は 専門家に聞く

 子どもの心に配慮した別れを可能にするには? 大正大学人間学部教授の青木聡さん(臨床心理学)と、早稲田大学法学学術院教授の棚村政行さん(民法)に聞いた。

 ●親への教育検討しては

 ▼大正大 青木 聡教授
 ケース・バイ・ケースだが、重要なのは離婚した後も親と継続的に会えるという安心感を子どもに与えること。欧米では、別れた後も親子関係は途切れないのが当たり前になっている。

 例えば米国では、離婚の際、子どもに理由を説明する練習を行う教育プログラムを親が受け、面会交流のスケジュールを決めることが義務化されている。

 家族観が異なり、そのまま日本に導入できるかは難しい面もある。ただ、理由を聞きたいのに聞けなかったり、別れた親と会いたいのに会えなかったりして、自己肯定感の低下や抑うつの症状が表れる「終わりのない悲嘆」に陥る子は少なくない。そうした現状を考えれば「子どものため」に親の教育プログラムの導入を検討すべきではないか。

 ●親権や養育費法整備を

 ▼早大大学院 棚村政行教授
 課題は、子どもの幸せを考えた法整備をすること。4月から離婚届の書式が改定され面会交流と養育費の取り決めを確認する欄が設けられたが、専門家が中身をチェックするまでには至っていない。

 韓国は2007年に民法を改正し、車の両輪である親権と養育費の取り決めをしないと離婚できないようにした。日本では父親の育児参画が進むなど環境が変化しているのに、法改正の機運はない。議論が必要だ。

 日本は単独親権だが、共同親権を求める声もある。現実的には選択制にし、別居親にも自覚を持たせてつながりを断たないようにすることが、子どもにとってもいいと思う。「両輪」の取り決めをサポートする民間団体を、国が支援する仕組みも必要ではないか。

=2012/04/07付 西日本新聞朝刊=


おうちが ふたつ (絵本シリーズ「パパとママが別れたとき……」) (絵本シリーズ「パパとママが別れたとき…」) [単行本] / クレール マジュレル (著); カディ・マクドナルド デントン (イラスト); Claire Masurel, Kady MacDonald Denton (原著); 日野 智恵, 日野 健 (翻訳); 明石書店 (刊)

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2012年08月03日

■西日本新聞朝刊【ほほ笑み返して…子どもから見た離婚】<3>「なぜ」と向き合い

 ■新訳男女 シリーズ第16部■
 
 春の嵐が吹き荒れた日、緑さん(28)=仮名=は長い髪を抑えながら取材場所に現れた。どちらかというと地味な服。福岡市の歓楽街・中洲で働いていたが、今は「休業中」という。

 緑さんも親の離婚を経験している。だが、その事実を知らされたのは親からではなかった。中学の入学式の日。クラス分けの掲示板にある自分の名字が、母の旧姓に変わっていた。

 そういえば最近、父の帰らない日が増えていた。毎日のように酔っぱらっては怒鳴り、母に手を上げたりしていただけに、子ども心に「別れてほしい」と思ってはいたが、まさか…。

 でも、本当に離婚したのか、母に聞けなかった。聞いてはいけない気がした。母も何も話してはくれなかった。母の顔色をうかがう日々が続いた。

 そのうちに「心の中の何かが爆発した」。親子げんかの毎日、高校中退、誘われるまま水商売へ。何より給料はいいし、接客も楽しかったが、4年前に体と心を壊してしまった。

 離婚の理由はいまだに聞いていない。父がどうしているかも知らない。知りたいとも思わない。「恨み続けるのもきついんです。だから今は何も思わない」

   ◇   ◇

 《「親から別れた理由を教えてもらえないことに不満を抱いている子は少なくありません」。ひとり親の子を支える民間団体「アンファンパレット」(東京)で代表を務める新川明日菜さん(24)の実感だ。

 親の離婚を経験したスタッフが、家庭訪問して勉強を教えたり、面会交流を支援したりする事業に取り組む。そうした活動を通して「納得できない思いをいつまでも引きずってしまう」「聞いてはいけない雰囲気があり、親に気を使ってきた」といった子どもの声をよく耳にするという》

 居間のテーブルを家族4人が囲む。桜さん(40)=仮名=と夫、中高生の2人の子。昨年12月、クリスマスが近づいていた。

 はじめに口を開いたのは夫だった。「好きな人ができて一緒になりたいと思っている」。沈黙。桜さんが「離婚したいということですか」と問うと「はい」。

 結婚して18年、当初から違和感はあった。日常会話で受け答えが気に入らないと怒鳴り、物を投げる夫。ここ数年は女性の影もちらついていた。

 子どもの同席は桜さんが提案した。「家族の問題だから、家族で話し合うべきだと思ったから」。その場で子どもに「どう思う?」と尋ねると「お母さんが苦労してきたんだから、別れた方がいい」と言った。

   ◇   ◇

 《アンファンパレットの新川さんは「説明がないと同じ家族なのに疎外された気持ちになり、その思いをずっと抱え込んでしまうんです」と話す。一方で、子の年齢や家庭環境によっては説明を後回しにした方がいいケースもあるという。

 自身の親は3回離婚し、その都度、説明を受けた。ただし、理由の中身はどうでも良かったのかもしれない、とも思う。「うそをついたりせず、子どもと向き合ってほしいということなんだと思うんです」》

   ◇   ◇


桜さんの手帳には、子どもが書いた「お母さん、大好き」のメッセージがある
 桜さんも高校1年からひとり親家庭で育った。母は説明してくれなかった。桜さんも聞かなかった。「母が幸せそうだったから」

 実際には、高校の制服を人から譲り受けるほど家計は苦しかった。でも母は生き生きと働いていた。そして娘をいつも見ていてくれた。自分も幸せを感じていた。「制服を買ってあげられなくて、ごめんね」。最近になって聞いた母の言葉が、胸に染みる。

 家族会議から3カ月が過ぎた。今のところ、子どもの顔からほほ笑みは消えていないように感じる。だが、答えはまだ出ていない。「私が幸せになることで選択が間違っていなかったことを示してかなければ」。もちろん、子どもと向き合いながら。

=2012/04/06付 西日本新聞朝刊=


離婚しても子どもを幸せにする方法 [単行本] / イリサ・P. ベイネイデック, キャサリン・F. ブラウン (著); Elissa P. Benedek, Catherine F. Brown (原著); 高田 裕子 (翻訳); 日本評論社 (刊)

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2012年08月02日

■西日本新聞【ほほ笑み返して…子どもから見た離婚】<2>困窮を乗り越えて

 ■新訳男女 シリーズ第16部■  

 新郎の両親を前に、香さん(25)=仮名=の母は涙を流した。昨年夏、家族同士の顔合わせの席。「自分一人で育てたので行き届いてないかもしれません」と母。「お嬢さんを見たら、お母さんが頑張ってこられたのが分かりますよ」と新郎の両親。香さんも涙が止まらなかった。

 5歳で両親が離婚して以来、母の苦労を目の当たりにしてきた。原因は父の借金だったため、妹と3人の母子家庭は自力で食べていかなければならなかった。

 母は、昼は工場、夕食後は仕出しの仕事に出る。帰りは朝方。わずかな睡眠時間に、香さんは母の口元に手をかざすのが日課となった。息をしているかな。そんな心配をしなければならないほど働き通しだった。

 しかし母は一度も愚痴をこぼさなかった。自分の物など一切買わない母の背中を見て「面倒はかけられない」と自然に思えた。奨学金で学び、今、福岡市で保育士として働いている。

 「お母さんがいたから生きてこられた。つらい思いはしたことないんです」。でも、母は苦しかったに違いない。結婚したこれからは、親孝行したいと思う。

 《厚生労働省の2010年度調査によると、母子世帯の95・1%が平均所得金額以下。「苦しい」と答えた母子世帯の割合は85・6%だった。子どもが小さいとフルタイムで働きにくく、保育所不足もある。父子家庭も含め、困窮するひとり親は少なくない》

 職場を転々とする元父。1人で暮らすのもままならないらしい。長男である宏さん(18)の母は養育費を請求したものの、支払われる見込みはなかった。離婚するまで主婦だったが、乳飲み子の宏さんを抱えて働き始めた。豆腐店、ガソリンスタンド、介護。慣れない仕事を朝から晩まで。

 そんな母に物心がついてから一度もわがままを言ったことがなかったという。それが高校2年になり、卒業後の進路を相談したとき、初めて希望を口にした。

 関東にある専門学校に行きたい−。母が留守の間に熱中してきた魚釣り。それを仕事につなげられる学校があると聞いた。「あんたがしたかなら、行ってよかよ」。快諾してくれた。

 うれしかった。だが、すぐに疲れ果てた母の姿が目に浮かんだ。「これ以上働かせたら冗談抜きで死んでしまう。俺が諦めればいい話」。やはり就職しよう。そう決めた。

 《母子家庭を対象にした同省の10年度調査では、元夫と養育費の取り決めをしているのは38・8%、現在も受け取っている人は19%だった。受け取らない理由は「相手に支払う意思や能力がないと思った」が47%で最多。冒頭の香さんも養育費は受け取っていない》

 「だからといって不払いは許されない。養育費は子どもの権利、親の義務なのだから」。離婚問題に詳しい福岡市の弁護士、岩城和代さんは厳しく指摘する。不払いの場合、家庭裁判所に申し立て、最終的には強制執行によって給与を差し押さえる方法もある。

 一方、香さんや宏さんの場合は違うが、面会交流をさせなければいけないと考え、養育費を請求しない人も多いという。岩城さんは「養育費と面会は別問題。全ては子どものためです」ときっぱり。また、ひとり親の頑張りだけでは限界があり「就労環境を改善し、児童扶養手当など国の支援制度をもっと活用しやすくする必要がある」と話す。

 出発を告げるベルが鳴り響く。宏さんは3月末、JR博多駅にいた。就職先の関西に向け、新幹線が発車する。見送りに来た母は今にも泣きだしそうだった。

 「寝過ごさんようにね。気を付けてね」。母の言葉を胸にしまい、宏さんは小さく「行ってきます」と言った。


=2012/04/05付 西日本新聞朝刊=


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2012年08月01日

■西日本新聞【ほほ笑み返して…子どもから見た離婚】<1>離れても親なのに


離れても親と子のつながりは変わらないはずなのに

 ■新訳男女 シリーズ第16部■  

 今も鮮明に覚えている。10年前のあの日。母が荷物を手にして玄関を出ていく瞬間を。「行かんでっ」。当時小学2年だった翔太さん(18)=仮名=は泣き叫んだ。だが、母は振り向かなかった。二度と福岡の自宅には戻らなかった。

 父は離婚の理由を「金遣いが荒かったから」など、母の非として説明した。そういえば、お年玉をためていた自分の通帳がなくなっていた。父の言い分は本当なのか。さらに父は家族写真を全て焼却した。母の思い出は灰となった。残ったのは「お母さんは悪い人」という疑念だけだった。

 周りと違うひとり親。家族の大切さを考える道徳の授業があると、自分の家庭が嫌でたまらなかった。毎年の運動会では、両親そろって応援に来るクラスメートがうらやましかった。

 「どうせ自分なんか」。いつからか、そう思うのが「心の癖」になった。友達の話が全部うそに聞こえる。誰も信じられない。人と対立したくない。中学、高校…。気が付くと、いつも「冷めた自分」がいた。

 「片親疎外」−。ひとり親家庭の調査に取り組む大正大学人間学部教授の青木聡さん(臨床心理学)は、翔太さんの置かれた状況をそう説明する。例えば、同居する親が、別居した片方の親を中傷するなどマイナスのイメージを吹き込み、正当な理由なく会えなくさせる−といった状況だ。

 青木さんによると、最近は少子化で一人っ子が増えたこともあり、親権争いが激化。連れ去りも後を絶たず、こうした環境下では「自己肯定感の低下や社交性が乏しいといった親和不全、抑うつなどの症状が表れるケースも見られる」という。

 翔太さんは2年前、母方の親族の計らいで8年ぶりに母と再会できた。そのとき聞いた離婚の理由は、父の説明と食い違っていた。母は「お父さんの暴力も原因」と話していた。

 どちらが本当なのか…。母の悪人像は薄れたものの、心に空いた8年分の穴を埋めることができないでいる。「俺には本当のお母さんっていないんです」。今も母と会っているが、父には内緒にしている。

 「お父さんに電話をさせてっ」。福岡県内の会社に勤める貴さん(29)=仮名=が母親に泣きじゃくりながら訴えたのは、5歳のときだった。海に行ったり、公園で遊んでくれたり。1年ほど前に家を出た父親は優しくて、大好きだった。以後、月1回の面会交渉が設定された。

 母は別れてすぐに再婚していた。新しい父親は気が荒く、なじめなかった。だからなのか、何かにつけて殴られ、蹴られた。でも、誰にも言わなかった。友人にも先生にも、そして実の父親にも。「心配をかけたくなかったから。絶対に」

 暴力は小学校高学年になると収まったが、妹が生まれた家庭に居場所はなかった。高校を卒業してすぐ家を出て、実の父親と暮らし始めた。就職し、24歳で結婚。今3歳になる娘がいるが「自分が受けたように、いつか暴力を振るうんじゃないか」と悩み、円形脱毛症にもなった。

 どちらの親と一緒に暮らせば幸せなのか。「子どもの立場、子どもの福祉を最優先にして考えられなければならない」と青木さんは指摘する。貴さんは今、振り返って思う。「離婚が避けられなかったのは仕方ない。でも、もっと自分の声を聞いてほしかった」

   ×    ×

 年間25万組が離婚している。そこでは、子どもの心を置き去りにした親権争いが繰り広げられることも少なくない。両親の別れに傷ついた子どもに、ほほ笑みを返してあげるには…。子どもの立場から見た「別れ方」を考えてみたい。


=2012/04/04付 西日本新聞朝刊=


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2012年07月30日

■【神戸新聞】離婚後の面会交流 親の権利より子の意思優先

 離婚によって離れて暮らすことになった親子の定期的な面会について、離婚時に決めるよう明記した改正民法が4月に施行された。離婚届には面会の取り決めの有無を記入する欄が設けられたものの、双方の関係や子どもの状況から、面会交流の望ましい形は一様ではない。(坂口紘美)

 未成年の子どもがいる夫婦の離婚は約14万7千件(2010年)。婚姻中は夫婦それぞれが親権を持つ「共同親権」で、離婚後は一方が有する「単独親権」になる。これまでは親権を失った側が面会を主張しても法的裏付けが弱く、次第に疎遠になってしまうケースが少なくなかった。

 離婚の増加や男性の育児参加などから、定期的な面会交流を求める親は増えている。神戸家庭裁判所によると、面会交流をめぐる兵庫県内の調停数は11年までの11年間で4・6倍、調停が不調に終わった際の審判数も3・4倍に増えた。

ママのために

 播磨地域の30代女性は09年に調停離婚した。女性が長女(5)の親権者となり、元夫からは月額1万円の養育費を受け取り、月1回2時間、長女に会わせる約束をしたが、面会が近づくと、長女は体調を崩すようになり、延期や中止が続いた。

 「娘が成長して『パパに会いたい』と言ってからでも遅くない。無理強いしたくない」と話す女性に対し、元夫は「親権者である母親が面会交流に消極的でその影響を受けている」と主張。調停での取り決めの履行を促す「間接強制」や慰謝料請求を通じて面会を求めた。

 10年12月からほぼ月1回、女性の母親や弁護士が付き添い、長女は元夫と会っているが、泣いて拒絶し面会が中断することも。「弁護士が『これはママを助けるためのお仕事』と諭すほど。こんな面会は子どものためにならない」と女性は訴える。

取られたら…

 横浜市の女性会社員(37)は3年に及ぶ調停、審判を経て昨秋、離婚が成立した。親権に含まれる子どもと一緒に暮らす権利(監護権)は女性、財産管理に関する親権は元夫(42)が持つ。小学1年の長男は月2回泊まりがけで元夫と過ごす。

 「会わせたら子どもを取られるのではと思っていた」と女性は明かす。面会後、仮に子どもを戻さないと、未成年者略取に問われることもあり、そうした事態は考えにくいが、女性の不安を解消しようと、元夫の弁護士が面会交流を仲介するNPO団体「びじっと」(TEL090・9806・1729、午前10時〜午後6時)などを紹介。びじっとのメンバーが面会の最後まで子どもに付き添う条件で、09年から面会が始まった。

 月1回2時間から徐々に時間や回数を増やし、付き添いも不要に。当初月7千円だった養育費は元夫の提案で小学校入学を機に2万円に増額された。以前のような相手への不信感はなくなり、夏休みは元夫が計画する父子での屋久島旅行に送り出すつもりだ。

 「離れて暮らしても息子にとって父親は大事な存在。私にとっても安心感になっている」と女性は話した。
【面会交流】 2011年、民法第766条「離婚後の子の監護に関する事項の定め等」が改正。協議離婚の際、面会交流と養育費の分担があること、これらの取り決めをするときは子の利益を最も優先して考えねばならないことが明記された。離婚届にチェック項目も新設されたが、空白のままでも受理される。

〈識者の声〉

子どもにとってより良い面会交流とは。専門家に聞いた。

◆面会交流が子どもに及ぼす影響を調べたみのり法律事務所(神戸市中央区)の長谷川京子弁護士
 面会交流ありきの現状は疑問。結婚中にDV(ドメスティック・バイオレンス)や虐待があったケースもある。子どもにとって有益な面会なのかを見極め、場合によっては会わせないという決断を下す必要もある。面会交流は父母に協力関係がないと実現困難なのに、現状は司法に解決を求めざるを得ない夫婦に、裁判所がしゃくし定規に面会交流の頻度や時間を決めてしまうことが多い。養育費の減額と交換条件にするようなケースもあり、子の利益という視点が欠落している。

◆大津家裁で家事調停委員を12年間務めた、神戸親和女子大の棚瀬一代教授(臨床心理学)
 幼い子どもほど一緒に暮らす親の感情を自分のものとして捉える「感情伝染」が起きやすい。同居する親が面会交流に消極的だと、子どもは離れて暮らす親を排除しようとする「片親疎外」に傾きやすくなる。別居親がそれを非難すれば、子どもは面会交流を苦痛に思うだろう。個人的感情は脇に置き、双方が「子どもの健やかな成長のため」と割り切ることが重要。裁判所や自治体には面会交流に関する無料相談窓口を望みたい。

◆県こころのケアセンター副センター長で児童精神科医の亀岡智美さん
 子どもが面会交流を拒む理由として、もともと別居親と関係が悪い▽父親を避ける乳児期や思春期と重なった▽同居親の消極的な気持ちを察している▽離婚のショックが癒えていない‐があるが、そうした子どもの心に目がいかず、親の権利ばかり強調されているのが現状だ。面会交流の主役は子ども。成長とともに子どもの気持ちは変わるし、求められる親の関わり方や頻度も変わる。直接会わなくても、手紙を書いたり誕生日にプレゼントを贈ったり養育費を払い続けたりすることで、親の愛情は伝わる。

(神戸新聞 2012/07/30 10:04)

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2012年07月23日

■<親権停止>初の本人申し立て…虐待防止、春に改正法施行

 児童虐待に対応するため、親権を最長2年間停止できるようにした改正民法の4月施行後、家庭裁判所への親権停止の申し立てが首都圏や関西を中心に30件以上相次ぎ、このうち児童相談所(児相)所長が申し立てた6件中3件で本決定、2件で仮処分が出たことが分かった。これとは別に、親からの虐待で保護された未成年者が自ら申し立て、仮処分が認められたケースも1件あった。改正法に基づく「本人申し立て」による仮処分の初ケースとみられる。【野倉恵】

 47都道府県と20政令指定都市、2中核市にある児相や自治体担当者から聞き取るとともに、都市部の一部家裁から回答を得た。申立人の多くは親族とみられるが、中部地方の家裁には20歳前の女性が6月中旬、代理人の弁護士を通して本人が申し立て、9日後に仮処分が出ていた。

女性は母親の再婚相手である義父から性虐待を受け、中学生の時に児童養護施設に保護された。母親に訴えても放置され、ネグレクト(養育放棄)されたとの記憶から保護後も自傷行為を繰り返した。

 その後、支援団体に紹介された弁護士らに励まされ、高校を卒業して施設を出ると、働きながら学ぶ形で進学。母親とは連絡がとれなかったため、施設長が親権を代行して、進学の同意や居住先の身元保証をした。

 ところが今夏までに授業料の減免や進学の申請に親の同意が必要となった。だが「母親を親と認めたくない」との気持ちは強く、弁護士は母親を捜し、親権の辞任を提案。母親は応じると伝えた後、再び連絡が取れなくなり、親権停止の本人申し立てに踏み切った。

 弁護士は「安易な申し立ては避ける必要があるが、未成年の場合、携帯電話を入手するにも親の同意がなければ契約できない。改正法で本人による申し立てが認められた意義は大きい」と強調する。

 一方、児相所長による申し立てでは、関西の児相が保護した10代の子について、進路手続きが進まず自立に支障が出る恐れがあるとして、6月に裁判所が認めたのが初の本決定。他に親が子に必要な治療を受けさせていなかったケースなどで仮処分が出ていた。

 ◇親権停止◇

 親権は民法で規定され、未成年の子に対する保護や教育、財産管理の権利と義務を併せもつ。親権制限の規定は法改正前までは期間の定めがない「親権喪失」のみで、要件も親権乱用や親に極端に悪い行いがある場合に限られていた。申立人は従来、親族か検察官、児童相談所(児相)所長のみとされ、法改正で申立人に子本人を加え、停止の要件を「子の利益を害する場合」と柔軟にした。

【毎日新聞 7月23日(月)2時31分配信】

◇親権
民法は、未成年の子は父母に親権があると定めており、権利と義​務の双方の意味合いがある。子の保護・監督や教育、財産管理など​に範囲が及ぶ。離婚の際はどちらか一方が親権者となる。


このことを、殆どの方が、あまり意識されていないのではないだろ​うか。

面会交流を何故、それ程、重要視するのか?

離婚後も共同養育が何故、求められているのか?

無論、児童虐待が多いという点もあるが、親権者である同居親が、​子どもの進学を許可しなければ、その子は進学することができない​。どんなに進学したくても、親権者の同意がなければできない。

だからこそ、別居親(多くは、非親権者)の存在があり、親子の絆​が保たれていれば、親権者変更もができて、進学もできる。

子どもの人生を大きく左右するものなのです。

改めて、多くの方々に、問題意識を持って頂きたく切に願います。

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2012年07月22日

面会交流と赤ちゃん返りについて。


面会交流をスタートしたばかりの頃、

未就学児から低学年のお子さんは、

普段は嫌がらないことを泣きわめいて拒否したり、おねしょをしたり、ずっと抱っこで甘えっぱなし、寝る時も抱きしめてないと眠れない。

というような『赤ちゃん返り』によく似た状況になることが、多々報告されています。

これは、お父さんと、お母さんの関係が変わることへの戸惑いの現れですが、面会交流に慣れてくれば自然となくなり、そう長く続くことはありません。

『ああ、別々に暮らすようになっても、お父さんも、お母さんも自分を愛してくれて大切に思ってくれているんだな。自分は必要な子どもなんだな。生まれてきて良かったんだな』と、お子さん自身が面会交流を通じて感じることができれば、問題はありません。

だいたい、三回くらいで落ち着いてきます。

それまでの間は、同居親さんは、もしお子さんに赤ちゃん返りが起きたら、愛情を肌で感じさせるようなスキンシップや言葉かけをするとよいでしょう(o^-’)b

面会交流を嫌がっているという判断を下さないよう、くれぐれもご注意くださいね(。-人-。)

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2012年07月19日

■【毎日新聞】記者のひとりごと:親子の面会に支援を /東京

 学生時代の友人が離婚した。妻が保育園児の長女を連れて実家に戻り、今春、調停離婚が成立した。子煩悩な友人は毎週末、車で片道2時間かけて長女に会いに行く。仕事の疲れで体力的にきつい日もあるが「公園でサッカーをするのが楽しみ」と話す。限られた時間の中で親子の絆を確かめ合っているのだと感じた。

 友人の場合は幸い子供に会えるが、離婚した夫婦間で子供との面会を求める調停は一昨年7749件と、10年前の3倍以上に増えた。

 日本は離婚した男女のどちらか一方が親権を持つ「単独親権」のため、親権を持たなかった側(大半が父親)は子供との面会が十分に認められないケースが多いという。

 先進国では、離婚後も父と母が共に親権を持つ共同親権が一般的だ。米国では両親が共に子供との同居を希望した場合、別居親との面会交流に積極的な親を同居親とする州が多いと聞く。都は5月に面会支援を始めたばかり。当事者間の解決が難しいだけに、国や自治体は対策に知恵を絞ってほしい。【佐々木洋】

【毎日新聞 2012年07月13日】


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2012年07月18日

■【毎日新聞】改正民法:離婚後の養育費、親子面会 取り決めなくても届け受理

 ◇「子を守る」法改正、実効性乏しく 知らない自治体職員も

 未成年の子どものいる家庭で親が離婚する際、養育費と親子の面会交流について取り決めをするよう規定した改正民法が4月に施行された。離婚届には、この取り決めをしたかどうかチェックを入れる欄が新たに設けられた。しかし、印をつけるかは本人の自由で、取り決めがなくても届け出は受理されている。識者や当事者からは「子の権利を守るための法改正なのに、実効性が乏しい」との声が上がっている。【反橋希美】

 「窓口で積極的にPRはしていません。離婚届を出される方から聞かれることもありませんし……」。大阪府内のある市の市民課職員は、離婚届の新しいチェック欄について、記入を促すよう声をかけるなどの対応は、特にしていないことを明らかにした。「戸籍の登録に必要な記入漏れがないかを確認することが重要な業務。新設された欄(の確認)は、そこまで注意を払うべきものとは思っていない」と職員は話す。

 書式が変わった離婚届には、親子の面会交流と養育費の分担について「取り決めをしている」「まだ決めていない」のいずれかに印をつける項目ができた。だが、この変更について法務省は「法改正を周知するための措置」との説明。離婚届を受理するかには影響しないとの考えを示す。それが市区町村の窓口対応にも影響しているようだ。

 家庭裁判所の調停や審判では、養育費と面会交流が子どもの権利として認められてきたが、これまでは法律上の規定がなかった。

 日本では、当事者間で親権者さえ決めれば離婚できる「協議離婚」が9割を占める。家裁の審判や調停を経ない協議離婚の場合、養育費や面会交流が決められていないケースも少なくない。養育費を受け取っている一人親世帯はわずか2割弱。離婚後に子どもに会えなくなった親が面会交流を申し立てる調停は、10年前の3倍以上に達している。

 法務省は民法改正に伴い、養育費や面会交流について説明したリーフレットを作り、各都道府県に送付した。自治体の窓口に置いてもらうことを想定していたが、自治体側の関心は高くなく、置いていない役所も目立つ。

 関西の自治体で、戸籍を扱う部署に勤める40代の男性職員は「今回の法改正を知らない職員さえいる」と漏らす。

 この職員は自身も離婚を経験し、離れて住む子どもに数カ月会えなかったことがある。「養育費と面会交流の取り決めがない父母の相談に、第三者の立場から役所が乗る仕組みが必要だ」と話す。

 母子家庭の支援を行っているNPO法人「Wink」(東京都)の新川てるえ理事長は「離婚届が変わっても、今のままでは実効性はないに等しい。養育費や面会交流をどう決めたらいいのか、国がガイドラインを作り、行政が窓口で情報を提供すべきだ」と訴えている。

     ◇

 民法改正でより注目を集めるのが、離婚後に連絡を取り合うことが難しくなった父母の間に立ち、面会交流を援助するサービスだ。厚生労働省は今年度から、面会交流の支援事業をする自治体に費用の一部を補助する制度を始めた。だが事業を始めたのは、今のところ東京都だけだ。

 都は5月から、子どもが中学生以下で、親の所得水準が父母双方とも児童扶養手当が支給される程度のケースについて、無料で面会交流を援助する取り組みをしている。交流の場所を調整し、子どもの受け渡しや付き添いを行う。6月27日現在で107件の問い合わせがあり、数組の支援の準備を進めている。都福祉保健局の田村陽子・ひとり親福祉係長は「想定したより反響が大きい。心配する祖父母からの問い合わせもあり、面会交流が家族全体の問題だと分かった」と語る。

 こうした取り組みがなぜ、他の自治体に広がらないのか。関西のある市の担当者は「争いがある夫婦の間に入るにはノウハウが必要。厳しい財政状況の中で、職員を割いてすぐにできる事業ではない」と語る。

 離婚後の親子の問題に詳しい早稲田大大学院の棚村政行教授(家族法)は「自治体側はトラブルを恐れてためらっている」と指摘。「離婚する夫婦の3分の1は、連絡調整など第三者の簡単な手助けがあれば面会できる、という海外の研究もある。厚労省の制度は所得制限が厳し過ぎ、対象者が限定される。子育てが終わった地域の人をボランティアとして養成するなど、柔軟に支援策を考えるべきだ」と話している。

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 動きの鈍い自治体。そのしわ寄せは、民間の交流支援団体に及ぶ。

 家裁の調査官や調停員の経験者らでつくる公益社団法人「家庭問題情報センター(エフピック)」は、東京、千葉、福岡など全国8カ所で親子間の交流を援助している。昨年度に援助したのは812組で5年前の3倍以上にのぼった。同センターの支部の一つ、大阪ファミリー相談室(大阪市)の齊藤素子事務長は「交流場所がもっとほしい」という。

 同相談室はこれまで、家裁の調停や審判を経て面会交流に合意した父母を支援してきたが、法改正後の5月以降は、協議離婚した親の支援も始めた。事務所が入るビルに交流のための部屋を3室借りているが、週末はフル稼働状態で、断る場合もあるという。

 齊藤さんは「新しい場所を借りるにも賃料を払う余裕がなく、公的補助があればありがたい。もし要請があれば、自治体に専門的なノウハウを伝えたい」と話している。

 ◇子どもの成長に応じ面会を

 養育費は「子が離れて住む親と同程度の生活ができる金額」が基準とされる。家裁などで広く使われる「簡易算定表」は双方の収入などを基に簡単に算定できるが、「金額が低過ぎる」との批判があり、日本弁護士連合会は3月、裁判所などに新たな算定方式を研究するよう求める意見書を提出した。離婚問題に詳しい清田乃り子弁護士(千葉県弁護士会)は「個別事情に沿って必要な金額を検討してほしい」と言う。

 一方、面会交流のスケジュールについては、子どもの成長段階に応じて頻度などを決めるのが望ましいという。

 04年から親子の仲介をしているNPO法人「FLC安心とつながりのコミュニティづくりネットワーク」(大阪市)の桑田道子さんによると、幼児期は「毎月第4日曜」「隔週の週末」など、規則性のある方が子どもも安心できる。小学校に入る頃から学校行事が増えるため、無理のない計画を立てることが大切だ。クリスマスなどの過ごし方や運動会など学校行事の参加方法も話し合っておくとよいという。

 養育費や面会交流について法務省が作ったリーフレットは、ウェブサイト(http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00113.html)で公開されている。最高裁もホームページ(http://www.courts.go.jp/video/kodomo_video/index.html)で、子どもを持つ夫婦の離婚で注意すべきことを動画配信している。

【毎日新聞 2012年07月12日】





posted by yui at 21:39| Comment(0) | 気になるニュース記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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